1300年以上!日本最古の霊泉~有馬療養温泉旅館
公式サイトを見て以来ずっと気になっていた「有馬療養温泉旅館」。
温泉の日帰り利用もでき、先日、念願かなって遂に訪れることができた。
詳しくは公式サイトを見てもらえたらと思うが、歴史は古い。
昭和40年に井戸を掘ったところ青く濁った水が湧き出して臭く、飲用には向かなかったと。その半年後にふたたび汲みだすと澄んできたので風呂を沸かしてみたところ、今度は赤黒い色になったのだとか。
ところが入浴してみると疲れが消え、持病のリューマチの痛みも軽減された。そして水質調査の結果、良質な鉱泉であることが判明し、温泉を希望者に無料開放したところから始まったのがここだ。その後人が殺到するようになり、昭和43年に有馬療養温泉旅が作られた。
それじゃあ、約50年の歴史なのねと思うが、実はもっと長い。
1,360年もの歴史を有する源泉だったのだとか。
大化三年十二月、今から1360年前「役小角」という行者によって、この有馬龍宿山に初めて霊泉源となる滝が発見されて以来、今なお金色に輝き滾々とたたえて湧き出る霊泉は、世の人々を様々な病から救ったと伝わる『有馬西明寺の霊泉』や『誠の泉』として古文書に記されており、聖武天皇の勅願寺である野川影向寺と共に深い歴史を歩んでまいりました。
●川崎有馬温泉 『有馬療養温泉旅館』 白鳳の昔より金色に輝く有馬不動霊光泉
大地震によって一度は湧出が止まっていた泉源だが、それが昭和40年になって再び復活したということのようだ。
建物は新しくなっており、一見、地方のビジネス旅館のようだが、中に入るとどこか湯治場的な香りも漂う。
前でバイクを停める場所を探していたら、旅館のオーナーさんらしき男性が「うちに来た方でしたか。バイクはその奥に停めていいですよ」とにこやかに声をかけてくれた。
建物の前には1台のスペースしかないが、別の場所に16台停められる駐車場があるようだ。中央型バスにも対応しているということなので、団体で泊まりに来る人達もいるのかもしれない。そういえば浴室のカレンダーに「団体」的な表記がいくつかされていた。
1200円でタオルセットつき。
入っていいのかどうかよくわからなかったので外から覗いただけだが、受付前にある12畳ほどの和室。公式サイトを見ると「1階談話室 ・2F和室休憩室」が日帰り温泉の人のための休憩室として開放されているとあったので、ここがおそらく談話室なのだろう。
浴室の前には「霊光泉」と書かれたのれんが吊られていた。
更衣室は狭めで、浴室もそれほど広くはない。
洗い場はL字型に8席分あり、湯船も10人も入ると少しキツキツかなという感じ。
ただ温泉感はバリバリだ。
濁った茶色い湯はやや緑がかった不思議な色をしている。壁に貼ってある案内によると、日により時間により、その時々で色を変えるそう。ライオンの口からちょろちょろ出ている源泉は透明。ところが空気に触れると色が変わり、さらに加温によっても変色するのだという。
朝方など温泉成分が結晶になるとも。
霊光泉は鉄分を主体とした鉱泉なので、湧出時には無色透明ですが、その成分から浴槽に注がれ温められると、次第に緑銅色から茶色へと色を変えていきます。色の変化は源泉の注入量、外気温、加温の頻度、濁りの元となる鉄沈殿物の入浴による攪拌によって変わるので、入浴される時間帯や季節によって、色や浴感の違いも楽しむことが出来ます。泉質は単純鉄冷鉱泉(旧泉質名 単純炭酸鉄泉)です。鉄分を含んだ温泉は一般に『子宝の湯』と呼ばれ、月経異常・不妊症・慢性婦人病・冷え性などでお困りの女性には特にお勧めしたい泉質です。
ライオンの口からでてる源泉をちょっと舐めてみると鉄の味がした。
お客さんは自分以外もうひとりだけ。
シャンプーやボディソープなどの入ったかごをその後更衣室のロッカーの上に置いていたので、常連さんなのだろう。
湯船にしばらく浸かっては、その後更衣室でタオル巻きで休憩したり、湯船のところに腰掛けて休んだりして、何度も出たり入ったりをしていた。
温泉を楽しむというより、湯治的に活用しているのかもしれない。
自分も今、四十肩で背中から肩にかけてがかなり痛む。もう少し近場にあったら、頻繁に訪れて改善させたいなあとも。
通常料金は1,200円だが、夜20時以降だと700円となり(レンタルはフェイスタオルのみとなる)、また11枚つづりの回数券も販売されている。
別途料金を払っての個室利用や、予約制で食事つきにすることもできるそうなので、「近場で湯治」を考えている人はそんなプランを利用して何人かで訪れてもいいかもしれない。
建物のすぐ隣には八幡大神。
見そびれてしまったが、霊光泉と刻まれた石碑もあるということなので、次回はこちらもお参りしてきたいと思う。